みなさんは農薬とはなにか説明できますか?
農薬取締法では法律違反を犯した場合に使用者に罰則が設けれています。
農薬とは何か正しく理解することで、正しい農薬使用に少しでも役立てましょう!
農薬とはなにか?
農薬とはなにかを農薬取締法(以下、「農取法」と省略します。)の法文から読み解いていきます。
下記は農取法にある農薬の定義に関する法文です。読みやすいようにラインマーカーを引きました。
「農薬」とは、農作物(樹木及び農林産物を含む。以下「農作物等」という。)を害する菌、線虫、だに、昆虫、ねずみ、草その他の動植物又はウイルス(以下「病害虫」と総称する。)の防除に用いられる殺菌剤、殺虫剤、除草剤その他の薬剤(その薬剤を原料又は材料として使用した資材で当該防除に用いられるもののうち政令で定めるものを含む。)及び農作物等の生理機能の増進又は抑制に用いられる成長促進剤、発芽抑制剤その他の薬剤(肥料の品質の確保等に関する法律(昭和二十五年法律第百二十七号)第二条第一項に規定する肥料を除く。)をいう。
農薬取締法 第二条 1項
要約すると…
「農薬」とは農作物を病害(菌、ウイルス)、害虫(線虫、ダニ、昆虫)、ねずみ、雑草(草)から防除するために使用する薬剤(殺菌剤、殺虫剤、除草剤その他の薬剤)と農作物の成長や発育をコントロールするために使用する植物生育調節剤(成長促進剤、発芽抑制剤その他の薬剤、ただし肥料を除く)です。
農薬は農作物を病害虫等から防除、農作物自体の成長や発育をコントロールするために使用する薬剤のことを指します。
つまり、農作物に使用する薬剤を、「農薬」というわけです。
農作物以外に道路、駐車場、グラウンド等で使用する除草剤には農薬登録のない、つまり農薬ではない薬剤があります。
農作物には使用できないので気を付けましょう! 詳しくは下記リンクから。
農薬取締法の改正により、農薬ではない除草剤を農作物に使うことは、法律違反となります。
3年以下の懲役、あるいは100万円以下の罰金、場合によりその両方が科せられます。
これは、農耕地だけでなく、家庭菜園や庭で使った場合も該当するため注意が必要です。
また、農薬ではない除草剤の販売者は、製品の容器や包装に、「農薬として使用できないこと」を明記し、販売店舗にも表示をすることが義務づけられています。
違反した販売者に対しては、前述の農耕地や農作物等に使った場合と同様の罰則が科せられます。
続いて、農薬の分類(種類)について解説します。
農取法から農薬とは下記のように要約しました。農薬の分類に関するとろにラインマーカーを引きました。
「農薬」とは農作物を病害(菌、ウイルス)、害虫(線虫、ダニ、昆虫)、ねずみ、雑草(草)から防除するために使用する薬剤(殺菌剤、殺虫剤、除草剤その他の薬剤)と農作物の成長や発育をコントロールするために使用する植物生育調節剤(成長促進剤、発芽抑制剤その他の薬剤、ただし肥料を除く)です。
上記に追加して、農取法の続きに天敵に関する法文があります。
前項の防除のために利用される天敵は、この法律の適用については、これを農薬とみなす。
農薬取締法 第二条 2項
つまり、天敵は農薬です。
下記に農薬を箇条書き、各々の使用目的をあげます。
- 殺菌剤・・・植物病原菌(菌、細菌)の防除(病害の予防や治療)
- 殺虫剤・・・害虫(線虫、昆虫、ナメクジ、タニシ)の防除
- 殺ダニ剤・・・ダニ(ナミハダニ、ミカンハダニ、カンザワハダニ等)の防除
- 殺虫殺菌剤・・・殺虫剤、殺菌剤の混合剤または単剤による植物病原菌、害虫の両防除
- 除草剤・・・有害雑草類の防除
- 殺鼠剤・・・ねずみの防除
- 忌避剤・・・有害動物が忌避する臭い、味を利用した鳥獣害の防除
- 誘引剤・・・有害動物、害虫を一定の場所に誘引する防除(フェロモン剤等)
- 展着剤・・・農薬が害虫の体た作物表面によく付着するように添加
- 成長促進剤・・・発根、着果、着色、果実の肥大等の農作物の生長の促進
- 発根抑制剤・・・発根の抑制
- 伸長抑制剤・・・水稲の倒伏の防止、花きの伸長抑制
- 無種子果剤・・・果樹の種なし化
- 天敵・・・天敵の捕食・寄生による害虫の防除
多くの農薬分類を箇条書きにしました。
基本的に農業において殺菌剤①、殺虫剤②、除草剤⑤、展着剤⑨、植物生長調整剤⑩~⑬、天敵⑭を使用します。
水稲農家や畑作、園芸農家によって農薬分類の使用割合は変わってきます。
本記事では下記の3つについて解説しました。
農薬の定義:農薬とは農作物を防除、農作物の生長をコントロールするために使用する薬剤のこと。
農薬以外の薬剤を使用した場合の罰則:3年以下の懲役、あるいは100万円以下の罰金、場合によりその両方。
農薬分類:殺菌剤、殺虫剤、除草剤、展着剤、植物生長調整剤、天敵等多くの分類がある。
少しでも農薬の知識を広げることに貢献できれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。